近年、日本国内でインターナショナルスクールに注目が集まっています。この背景には、グローバル化が進む中で国際的な教育環境を求める家庭が増加していることがあります。本記事では、「インターナショナルスクールとは？」という疑問に答えるべく、その概要、特徴、そして進学のメリットやデメリットを詳しく解説します
インターナショナルスクールの定義と役割
インターナショナルスクールとは、もともと外国籍の子どもたちを対象に設立された教育機関です。基本的に授業は英語で行われ、以下のような特徴があります：
- 国際的な教育環境: 生徒や教員が多国籍で、異文化交流が盛ん。
- 独自のカリキュラム: 国際バカロレア(IB)やケンブリッジ国際カリキュラムなど、世界的に認められた教育プログラムを採用。
- 柔軟な入学条件: 一部の学校では日本国籍の児童も受け入れています。
インターナショナルスクールは義務教育を履行する一条校とは異なり、多くの場合、学校教育法第134条に基づく各種学校に分類されます。このため、日本の高校や大学に進学する際には特定の条件を満たす必要があることもあります。
インターナショナルスクールとプリスクールの違い
インターナショナルスクールと混同されがちなのが「プリスクール」です。以下の違いを押さえておきましょう：
インターナショナルスクール
- 対象年齢: 小学生から高校生が中心（幼稚部が併設されている場合もあり）
- 主な目的: 小中高等教育を通じた学問的成長と国際的感覚の涵養
- カリキュラム: IB、ケンブリッジなど、大学進学を視野に入れた国際基準
プリスクール
- 対象年齢: 0–6歳（未就学児）
- 主な目的: 幼児期からの英語教育と異文化体験
- カリキュラム: 英語を通じた遊びや基礎教育が中心
プリスクールはインターナショナルスクールへの進学準備として利用される場合もあります。
インターナショナルスクールの特徴と一般校との違い
使用言語
- インターナショナルスクール: 英語が公用語であり、授業や日常生活全般に使用される。
- 日本の一般校: 日本語を公用語とし、学習指導要領に基づく教育を実施。
カリキュラム
- インターナショナルスクール: 生徒の探究心を育てることを重視し、プロジェクト型学習や科目横断的な学びを提供。
- 一般校: 文部科学省が定める学習指導要領に基づき、全国一律のカリキュラム。
学費
インターナショナルスクールの年間学費は150–400万円と非常に高額です。一方、公立校は基本的に学費が無償、私立校は年間約90–200万円程度が相場です。
インターナショナルスクールへの進学のメリット
英語力の向上
日常的に英語を使用する環境で学ぶため、語学力が飛躍的に向上します。また、英語を通じて他教科を学ぶため、実践的な言語運用能力が身に付きます。
グローバルな視点の育成
多国籍の生徒と一緒に学ぶことで、多様性を尊重する姿勢や国際的な視点を養うことができます。
海外進学のチャンス
国際バカロレア資格などを取得すれば、海外の大学進学がスムーズです。特定の成績を収めることで、入学試験を免除される大学もあります。
インターナショナルスクールへの進学のデメリット
学費の高さ
年間150–400万円の学費に加え、入学金や教材費などの初期費用も必要です。さらに、課外活動費やスクールバス代もかかります。
日本語教育の不足
英語教育に重点を置くため、日本語の読み書きが十分に習得できない可能性があります。特に将来的に日本の大学進学を考える場合、日本語力の補完が必要です。
進学時の条件
スクールによっては、英語力や海外滞在歴が求められる場合があります。また、日本国籍者の入学に制限がある学校もあります。
入学条件と試験
インターナショナルスクールへの入学条件は学校ごとに異なりますが、一般的には以下の項目が含まれます：
- 英語力: 英語での授業についていけるレベルが求められる。
- 保護者の英語能力: 学校とのコミュニケーションを取るため、少なくとも一人の保護者が英語に堪能であること。
- 学力試験・面接: 一般的な学力試験の他、生徒と保護者の面接が行われることが多い。
卒業資格と進路
インターナショナルスクールでは、以下のような資格を取得することが可能です：
- 国際バカロレア資格 (IB): 世界的に認められる大学進学資格。
- ケンブリッジ国際カリキュラム: 主にイギリス連邦諸国の大学進学に適した資格。
卒業後の進路は多岐にわたり、海外の大学への進学が一般的ですが、日本国内の国際系大学や一般大学への進学も選択肢に含まれます。
まとめ
インターナショナルスクールは、グローバルな教育を提供し、英語力や多様性の理解を深めるための魅力的な選択肢です。しかし、学費の高さや日本語教育の不足といった課題もあるため、家庭の教育方針や将来の目標を明確にした上で進路を選択することが重要です。